「大野弘さんの波瀬日記 ー 夏の装いへ」
本日は、『大野弘さんの波瀬日記』をお届けいたします。 大野さん、ご案内をお願い致します。 茶色の字が大野さんの説明文です。 写真をクリックされますと、大きなサイズでご覧頂けます。
「『春過ぎて夏来にけらし、白妙の~』と、上の句で始まる持統天皇の和歌は、ちょうど今頃の季節を顕しているのでしょう。桜も終わり、艶やかに咲き誇っていたツツジも、次の植物達にバトンタッチをし、波瀬の郷も夏の装いに着替え始めています。そんな、季節の変化を訴え始めた近場の花達を追ってみました。 大野弘」
「写真上: 今土手や山の斜面に見られる紫色の花は、春から夏の初めに咲くアザミですが、本来アザミは秋の花です。ですが、この時期咲くのは30種以上あるうちの、この『ノアザミ』だけです。」
「写真上: 道路わきの雑草に混じって見られる、『ハルジオン』は本来は園芸種でしたが、大正時代に北メリカから鑑賞用に持ち込まれた帰化植物です。」
「写真上: 『ゲンペイコギク』と言うのが一般的な名なのですが、別目『ペラペラヨメナ』『アズマギク』とも言われています。園芸種が野生化して岩の脇に棲みついています。」
「写真上: 初めて見た花で、何とかPCで見つけましたが、この花名は一度では覚えられません。何とその名は『シラーカンパニュラ-タ』と言います。無論園芸種で花は紫とピンクが有り、波瀬では野生化しています。」
「写真上: 『シャ』は湿った土手などに群落を作ります。中国からの帰化植物で、仲間に『ヒオウウギアヤメ』が有り、『シャガ』の名はヒオウギアヤメの漢名『射干』からと図鑑に解説しています」。
「写真上: UPで見るととても奇麗な花ですね。」
「写真上: 『フ』は、いきなり花を見せますので、うっかりしていると見落としてしまいます。ふじ棚にするのはノダフジと言ってツルが右巻き、ヤマフジは左巻きになるようです。」
「写真上: 我が家の前にある『朴ノ木』も今年は沢山の花を付けましたので、興味を持って観察してみました。1億年前の化石からもモクレンや朴ノ木の種が見つかっているそうで、イチョウやメタセコイヤ等と同じ生きた化石と言われています。蕾の時は竹の皮の様なものに包まれていて、暫くこの状態を維持し、」
「写真上: 2~3日過ぎるとそれが剥がれ、白い花の蕾が現れます。開花するまで2日程これを維持し、受精の準備をしているようです。」
「写真上: 花は半開きの状態で、メシベだけが受精状態になって、1日ほどこの状態ですが、(メシベがとげとげになっています。)雌雄異熟と言って、自家受粉を防ぐためにオシベ(モヤシ状の物)は機能していません。虫媒花ですから、仄かな甘い香りで昆虫(ハチ等)を誘い受粉させます。」
「写真上: 雌しべの受粉が終わると、花は閉じ始め、この後完全に閉じてしまい初期状態になります。そしてオシベが機能する様になるまで花は開きません。」
「写真上: そして開花した時には雌しべは閉じていますが、オシベは花粉を餌に虫を呼び込みます。」
「写真上: 最終段階になりオシベが散り始めると、花の役目は終わります。凡そ植物の知恵とは思えない様なルーチンを繰り返し、1億年もの長きにわたって生き延びてきた不思議さに感心します。」
「写真上: 花が散ってもメシベは残り、3倍以上に大きく伸びて五平餅の様になり、それが秋には紫色に染まり、うずら豆ぐらいの赤い実が沢山出来てきます。」
「写真上: 雌しべとオシベのUPで、雌しべは閉じた状態で、すでに受粉完了している事を示しています。オシベは活発に機能している様子が見られます。」
ホオノキの花は高い所に咲いているので、こんなにアップで見ることがありません。 大野さん、貴重な写真をありがとうございました。 次回のお便りも楽しみにお待ちしております。
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本日の波瀬: 深夜12℃。 昨夜はお泊りが無かったので、早朝の気温はわかりません。 晴天から曇天へ。 昼間、国道で31℃。 午後10時半で17℃とのことです。
No More War!!!!!
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